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「おー!やっぱりキレイだぜぃ」
満開の桜の樹に登って見る風景はブン姫が予想
していたよりも素晴らしかった。
薄紅の花びらの向こうには大奥の建物と、
白い外壁と黒々とした甍の天守を持った本丸が見え
将に壮観だ。
「……あそこのどこかに上様がいんだよなー。」
ブン姫は
『急に輿入れが決まって慌しかったから、よくよく考えたこともなかったけど
上様ってどんなヤツなんだろ?
俺と同い年らしいけど…赤也みたいなんだったらヤダな…。』
などと失礼なコトを考えながら本丸のどこかにいるであろう
自分の夫に想いを馳せる。
『…それに今夜、初対面だし…』
頭の隅に追いやっていた重大な事実を思い出して、
頭を抱えて「うーわぁー」と首を振っていた時―
「何をしているんだい?」
樹の下から凛とした声がブン姫の耳に届いた―
※※※※※※※※※※※※※※※※
幸ブン大奥最終話~!!
本日思いついた所でとりあえず区切りますw
やっと輿入れしに来た嫁みたいになってきたブン姫
PiPiPiPi
寝ようと思ってたのに誰だよ!!
夜11時55分。ケータイから発せられる電子音
に感じたイラつきは発信者名を見て一気に吹き飛んだ。
「もしもしっ!!幸村!?」
『あ、よかった。まだ起きてた?』
「もうそろそろ寝ようと思ってたとこ。
さっきまでメールしてたのに、夜遅くどうしたんでぃ?」
『…あれ?ブン太もしかして気付いてない?』
「ん?何が?」
『だって、明日って…あぁ、今日はブン太の誕生日だろう?』
「…え?」
バッと振り返って時計を見ると長針と短針はそろって12という数字を指していた。
『ふふ、誕生日おめでとう、ブン太。生まれてきてくれてありがとう。』
”お前の15歳最後の瞬間と、16歳最初の瞬間をブン太の声を聞きいていたかった。
そして、一番最初におめでとうと言いたかったんだ。”
と囁く声が受話器を通して俺の耳に優しく響いて
俺はミョーに照れくさくなって
「はははっ!お前キザ!」
と思わず笑ってしまったんだ。