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PiPiPiPi
寝ようと思ってたのに誰だよ!!
夜11時55分。ケータイから発せられる電子音
に感じたイラつきは発信者名を見て一気に吹き飛んだ。
「もしもしっ!!幸村!?」
『あ、よかった。まだ起きてた?』
「もうそろそろ寝ようと思ってたとこ。
さっきまでメールしてたのに、夜遅くどうしたんでぃ?」
『…あれ?ブン太もしかして気付いてない?』
「ん?何が?」
『だって、明日って…あぁ、今日はブン太の誕生日だろう?』
「…え?」
バッと振り返って時計を見ると長針と短針はそろって12という数字を指していた。
『ふふ、誕生日おめでとう、ブン太。生まれてきてくれてありがとう。』
”お前の15歳最後の瞬間と、16歳最初の瞬間をブン太の声を聞きいていたかった。
そして、一番最初におめでとうと言いたかったんだ。”
と囁く声が受話器を通して俺の耳に優しく響いて
俺はミョーに照れくさくなって
「はははっ!お前キザ!」
と思わず笑ってしまったんだ。