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8月15日 はれ。
今日、精市くんの学校の友達・真田がウチに来た。
「これが真田だよ。」
と紹介された”真田”は怖かった。
精市くんと同い年って精市くんは行ってたけど、どう見ても精市くん
より年上、おっさんにしか見えねぇ。
きっとこれがウワサの年齢さしょーってヤツなんだろう。
真田は不器用にオレの頭を撫でてくれた。
見た目おっさんだけど、怖いけど意外と良いヤツかもしんない。
良いヤツかもしんないが…撫でてくれるのは嬉しいが…
撫で方が不器用すぎるから段々痛くなってきた…。
我慢してたんだけど、我慢し切れなくて
『痛てぇ!』
って思わず言っちまったら
精市くんが今まで聞いた事無いような低い声で
「…真田」
と”真田”の名前を呼んだ。真顔だった。
その時の精市くんはすっっっげえ怖かった!!
あの怖い顔した真田も平謝りしてるくらいだ。
これからは精市くんには絶っっ対逆らわないよーにしよう!!
########
幸村中尉。無意識でブン太に対する恐怖政治に成功。
8月10日 はれ。
ニンゲンの男の子に飼われることになったから、今日から日記をつけて
みようと思う。
拾われてすぐにオレはお風呂に入れられた。
お風呂は水がいっぱいだし、突然ぬめぬめしたモノ(ぼでぃーそーぷって言うらしい)
をつけられて泡々になって何かイヤで脱出しようとしてみた。
天才的なオレに逃げられない訳ないぜ!なんて思ってたら予想を上回る速さで
首根っこ掴まれて引き戻された、ありえねぇ。
そのまま持ち上げられて、男の子と目が合う。
「そのまま出て行ったら廊下が泡だらけになるだろう?」
そう優しく言われたけど目が笑っていない、この男の子は見た目に似合わず怖ぇぇ…。
ぶらりと垂れ下がった手足が思わずブルブル震えてしまった。
抵抗する気も失せて大人しくしているとちゃんと優しく体を洗ってくれた。
ほっと一安心。
温かいタオルで体拭いてもらって、温かい風で体乾かしてもらって
広い部屋のソファーに座る男の子の膝の上でゴロゴロしてた。
一定のリズムで頭を撫でてくれる手が気持ちよくてついうとうとし始めた時、
ぴたりと頭を撫でる手が止まった。
『何だよ~、折角気持ちよかったのに!』と声を上げると
前足の下に手を入れられて抱っこされる。
目の前に男の子の綺麗な顔がある、何だ?何が起こるんだ?とシッポを
パタパタさせていると男の子が口を開いた。
「決めた!お前の名前は今から『ブン太』だ!
俺は精市。幸村精市。よろしくな、ブン太」
いきなりの宣言に頭が追いつかず、しばらく耳をぴくぴくして言われたことを整理する。
どうやら『オレ』は今日から『ブン太』になったらしい。
「どうかな?ブン太。名前気に入らない?」
首をかしげて聞いてくるこの男の子は『精市』くん・・・。
イキナリ今からお前はブン太だよ。なんて言われても全然実感湧かねぇし、
その名前が良いのか悪いのかも分かんねぇ。
でも…。
「ブン太?」
オレに確認するまでもなく決定事項っぽく『精市』くんが
呼ぶオレの新しい名前の言い方はとっても優しくて
くすぐったいくらい嬉しいから、まぁいいやなんて思っちゃう。
『気に入ったぜぃ!精市くん、シクヨロ!』
そう大きく言うと精市くんはまるでオレの言葉が分かったみたいに
にっこりと微笑んでくれた。
#######
名前けってーい。
名前決めたのはいいが、親に了承とってないよ精市くん。
いいのかな?幸村家。
幸村家は「オレがルールブックだ!」並みに精市くんが法律
という設定にしてしまおう…。面倒だ。
「俺の前でテニスの話しをしないでくれ!」
真田が病室から出てくるのと同時に飛んできた声と、
閉じられた扉の奥から聞こえる悲愴な叫び声をただただ病院の廊下で
他のレギュラーたちと聞いていた。
―いや、聞いているしかなかった。
何で俺ってこんなに無力なんだろ…幸村がこんなに辛い時期なのに…
俺、あいつのコイビトなのに…。
幸村を支えなきゃそう思うけど。
だけど、健康で学校に通ってテニスをして―そんな幸村がしたくてしたくて
欲しくて欲しくて羨ましくてたまらないものを全て当たり前のようにしてる
俺に一体何が出来るんだっ!
みんなでぞろぞろと病院から帰る途中、一人振り返り幸村の病室のあたりを
見上げる。
もし、もしも、幸村のことを救えるものがあるとすればそれは
真田でも柳でも、モチロン俺でも無くて…。
それは幸村自身と時だけだ。
時間頼む。その力で幸村の心から恐怖や絶望を少しでも薄めて欲しい。
俺は祈ることしか出来ないけどどうか・・・。
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ブン太視点。
幸村のセリフはうろ覚え。
太陽がギラギラしてる夏の午後、
イチゴを盗み食いに入ったとある家の庭で俺はヘマをした。
「誰かいるのかい?」
そう言って窓を開けて庭に下りてきたニンゲンと瞳が合い、
やべぇ!そう思った。
何やってるんだって怒鳴られて、酷きゃ叩かれるだろうな。
と想像して怖くなった。
近付いてくる足音に殴られるんじゃないかって怖くって…シッポが下ってブルブル震える。
伸びてくる手に殴られる!!って思ったら
その手はオレの頭を優しく撫でた。
「どうしたのこんな所で、お腹が空いたのかな?」
びっくりして恐る恐る目を上げると、そこに居たのは蒼くて真っ直ぐな瞳の
キレイなキレイな男の子だった―。
「そうだな…君可愛いし、うちの子にならない?ご飯沢山食べさせてあげるよ?」
にっこり笑って言ってくれたこの言葉が嬉しくて、
『おう』
と一声でOKした。
この日、オレは精市くんの猫になった。
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にゃんこブン太と精市少年の馴れ初め。
何故いきなり幸村が家の子にならない?って言ったかというと、
一目ぼれって訳じゃなくて
「妹が猫飼いたがってたし、俺も退院後とはいえ夏休み家に一人って
寂しいからな~」という理由があったりなかったり。
ナチュラルに「その手が俺の頭を優しく撫でた」のところを
「その手が俺の頭を優しく投げた」と打ってしまってマジびびった!
殴られるより酷い目にあわせてるよ神の子!
あやうく神の子の菜園を荒らすものは厳罰に処す!!
な内容になってしまうところでした(汗)
ネコナデネタから、立海でにゃんこを作ったらどうなるだろうと
考えてみた。(一部人間、わんこもいる)
【ブン太】
赤毛と薄紫の瞳をもった子猫。生まれてからしばらく逞しく野良生活
を送っていたがひょんな事から精市少年に拾われて幸村家の飼い猫と
なる。
【幸村精市】
立海大付属中に通う中学3年生。テニス部部長。
ひょんな事から子猫を拾いブン太と名付けて育て始める。
やんちゃ盛りなブン太と遊んだりまったりする時間に日々癒されている。
【真田弦一郎】
立海大付属中に通う中学3年生。テニス部副部長。
あまりに息子が老けて大人びていることを不安に思った両親が
情操教育に…と買ってきた猫・蓮二と蓮二に懐いていつの間にか
居座り始めた赤也、そして元々は兄の飼い犬だったジャッカル
の世話に忙しい日々。
最近は赤也のやんちゃっぷりに手を焼いている。
【蓮二】
真田家の漆黒の毛を持つ純和風な飼い猫。
目が異常に細く常に閉じている様に見える。怒ると目が開くがとっても怖い。
飼い主である弦一郎を武士っぽくて素晴らしいと思っている。
やんちゃ盛りの赤也を親の様に見守り、世話をしている。
【赤也】
黒い巻き毛のもこもこした外見の猫。手触りの柔らかさに反して性格は激しい。
弦一郎は怖くて苦手だが、蓮二を慕っておりいつのまにやら真田家の飼い猫に
なっていた。
最近の趣味はテニスボールで遊ぶことと真田家飼い犬のジャッカルに絡むこと。
野良時代のブン太の弟分でもある。
【ジャッカル】
真田家の心優しき大型犬。
弦一郎の兄に・・・と親が買ってきた犬であったが大学生になり、忙しくなった
兄に代わり弦一郎が世話するようになって弦一郎の飼い犬状態に…。
最近は新しく家にやってきた赤也やたまに遊びにくるブン太に乗り物扱いを受け
背中の上で大騒ぎされたり、赤也の世話でストレスの溜まった弦一郎に
八つ当たりされたりと踏んだり蹴ったりである。
しかし、それにも耐え忍ぶ逞しい精神力をもつ出来たワンコである。
【柳生比呂士】
立海大付属中3年生。テニス部所属。
たまたま雨の日に雨宿りをしに立ち寄った神社で、同じくずぶ濡れで
雨宿りしていた野良猫と出会い成り行きで飼うことに。
その猫に『仁王雅治』と何故か苗字まで名付けて『仁王くん』と呼んでいる。
仁王とはお互いの領域(主義)を尊重しあういい関係を保っている。
【仁王雅治】
苗字まで名付けられてしまった柳生の飼い猫。
白に近い銀の毛を持つ猫で、性格は半端ない猫気質。
日々自由に外を歩き回っている。柳生が「仁王くん」と呼ぶせいで
折角あるのにファーストネーム(っぽいの方)を誰にも呼んでもらえない。
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ネコナデに影響されてw
立海で考えたらこんなのになった!
書くかは分からないけれども書くとしたら「みかん絵日記」
のようにリョマナデとは違って猫視点がしっくりきそう(笑)