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「俺の前でテニスの話しをしないでくれ!」
真田が病室から出てくるのと同時に飛んできた声と、
閉じられた扉の奥から聞こえる悲愴な叫び声をただただ病院の廊下で
他のレギュラーたちと聞いていた。
―いや、聞いているしかなかった。
何で俺ってこんなに無力なんだろ…幸村がこんなに辛い時期なのに…
俺、あいつのコイビトなのに…。
幸村を支えなきゃそう思うけど。
だけど、健康で学校に通ってテニスをして―そんな幸村がしたくてしたくて
欲しくて欲しくて羨ましくてたまらないものを全て当たり前のようにしてる
俺に一体何が出来るんだっ!
みんなでぞろぞろと病院から帰る途中、一人振り返り幸村の病室のあたりを
見上げる。
もし、もしも、幸村のことを救えるものがあるとすればそれは
真田でも柳でも、モチロン俺でも無くて…。
それは幸村自身と時だけだ。
時間頼む。その力で幸村の心から恐怖や絶望を少しでも薄めて欲しい。
俺は祈ることしか出来ないけどどうか・・・。
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ブン太視点。
幸村のセリフはうろ覚え。