「ただいま」
合宿も今日で最終日、顧問からの呼び出しから部屋へ帰ると
明日は帰るだけだからとレギュラー陣が徹夜でトランプをやろうと
盛り上がっている。
「あぁ、精市。ご苦労だったな」
「あれ?柳は混ざらないのかい?」
トランプに…と言外にいうと
「今は弦一郎がカモにされているのを見るのが楽しいからな。
それに今 俺が参戦しても勝敗が見えすぎている。」
なるほど…今はどうやらポーカーをやっているらしい。
人の嘘を見抜くには瞳を見るのが一番有効だというから
糸目がちな蓮二は表情が読まれ難く大変有利だ。(実際にもとても強い)
「確かにね(笑)」
そう呟いて
トランプで盛り上がっている集団見渡たすと、軽く違和感を感じた。
こういうお祭り事に真っ先に参加して騒ぎの中心にいそうな
ブン太の姿が見当たらない。
「ブン太は?」
対戦中の一団に声をかけると、
真田をイジることにも、事の勝敗にも執着なさ気な柳生が
「あぁ、丸井くんでしたら疲れていたみたいであちらでお休みになっていますよ」
と指した先を追うと
確かに俺の布団がこんもりと人が入り込んでいる。
静かに近寄って布団の中を覗くと枕(俺の)を抱えたブン太がすぅすぅ寝息を立てている。
フフッ、可愛い…。そう微笑んだ瞬間…
「ん…やぁ・・・っ!幸村ぁ!」
響いたブン太の声に俺だけでなく、トランプで盛り上がっていた
皆も固まっている…
ゆっくり振り返ると真田はあまりの衝撃に白目を剥いて倒れそうになっている。
「ば、バカぁ!幸村っ…や、やめっ…!くっ…やぁぁ…」
なおも続くブン太の声に柳生の手からトランプがパタパタと落ちていく
「…部長…丸井先輩の夢の中で何やってんッスか…」
誰もが聞きたかったであろうことを代表して言った赤也に俺は
そんな事は俺が一番知りたいよ…と心の中で突っ込んでやる。
「このっ!幸村…っ!くすぐるな
俺がくすぐり弱いって知ってんだろぃ
」
『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ホッ』
「何だくすぐっていただけか・・・つまらん。」
『つまらんってなんだ…柳…
』
合宿最終日。みんなの心が一つになった。
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