04 | 2025/05 | 06 |
S | M | T | W | T | F | S |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | ||||
4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 |
11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 |
18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 |
25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 | 31 |
「わかんない。」
「なんだい?」
朝食のサラダを口に運ぼうとしていた手を止めて
不思議そうに幸村が聞き返してくる。
まぁ、当然だ。オレの「わかんない。」ってセリフは
何の前置きもなく声に出したんだから。
(当然オレの心の中の葛藤を総合すると脈略があるセリフだけど。)
「お前がオレが言ってほしい言葉が分かんのかが、オレには
さっぱり分からねぇ。」
「そう言われても…そうだな。俺がいつもブン太の事を想ってる
から…かな?」
「気色悪いこと言うなよ。…オレは一緒に暮らしててもお前の事
全然わかんねぇのに。」
「ん~、改めて言われると困るけど…。でもペットってそんなもの
じゃないかな。」
「そうか?」
「そうだよ。」
まぁ、こんな議論をいつまで続けてても埒があかないし…。
と釈然としない気持ちを押し込めて意識を食事に集中させた。
釈然としない気持ちの中に幸村の事を何も知らないという焦燥
の様なものが含まれていたことも、何故そのことに焦燥を感じ
るのかを深く考えないままに。
by 私から貴方への10の言葉 2.わかんない COUNT TEN.