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その日は抜けるような空と夏の気配を残した生暖かい風が
吹き抜ける、何の変哲もない…何一つ変わらないそんな秋の日だったんだ…。
赤也がまたジャッカルのヤツを巻き込んで無茶をして真田と柳にとっつかまって…。
柳生と仁王が2人で内緒話をしてて、
俺はベンチに座り、静かに微笑むアイツの隣でガムを膨らまして…
そんないつもの光景の中にこんなに危ういものが潜んでいたなんて知らなかった。
ゆっくりと崩れ落ちるように床に倒れた幸村を、みんなが救急車を呼び、
幸村が運ばれていくのをただただ、泣き叫ぶでもなく呆然と眺めてた。
それからの事はよく分からない。
幸村の病気は難しい病気らしくて、家族以外面会謝絶。
あいつがどんな様子かも分からねぇ。
そんな中でも人は…俺たちはメシ食って、授業受けて、テニスなんかしたり
して…普通の日常を過ごしてる。
ただ幸村の居た部分だけが鋏で切り取られた様にぽっかり穴が
開いているだけで…実感がわかない。
そのうちひょっこり「ブン太!もっと集中して!!」とか
アイツの鋭い声が聞こえてきそうでそわそわする。
なぁ、この日常に何でお前はいねぇんだよ。